第12回川越唐人揃いパレード(記事掲載とお詫び)
2017年 05月 16日
第12回川越唐人揃いパレードを終えて
川越唐人揃いパレード実行委員会
事務局長 小川 満
2016年11月13日、真っ青な秋空の下で第12回川越唐人揃いパレードが無事終了しました。
今年のパレードはこれまで以上に見ごたえのあるものでした。先頭には、朝鮮通信使の楽隊の正装をしたケヤキ学園の生徒さん達60人が、ラッパを吹き鳴らしながら行進しました。そして、その後に、1607年に来日した第1回朝鮮通信使の正使だった呂祐吉(ヨ・ウギル)の11代目直系子孫、呂運俊(ヨ・ウンジュン)さんが歩きました。沿道には溢れるほどの人々がこの唐人揃いの行列を、目を輝かせて見つめていました。400年前、日本に初めて来た朝鮮通信使の行列も、人々のこうした熱い視線を受けていたのではないでしょうか。

豊臣秀吉の朝鮮侵略という悲劇をのり越え、隣国同士が誠信の心を分かち合い、善隣友好への道を踏み出すのは、たやすいことではなかったはずです。しかし、双方の努力で乗り越え、その後200年を超える世界史的にも稀有な文化交流で平和を作り出すことができました。それがどんなに人々の心に喜びを与えたのかを示すものが、江戸時代に川越町人たちが行っていた「唐人揃い」です。「多文化共生・国際交流」をテーマにした「川越唐人揃いパレード」はその現代版です。

20近い団体が色とりどりの衣装で、パフォーマンスが行われました。街は平和と、多文化の喜びに溢れました。違いがあっていい!互いに認め合うことは素晴らしい!演じる者も観る者も、そう実感できる祝祭の一日でした。
蓮馨寺に戻った後の交流広場では、在日コリアンのシンガーソングライター李政美(イ・ジョンミ)さんが飛び入りでケヤキ学園の生徒さん達と「おいで、ここに」を合唱しました。誰もが一緒に、ここにおいで!と歌うこの歌こそ、この場にふさわしいものでした。
また正使役の呂さんが「民間人の私たちこそが、絡まった糸をほぐすことが出来るのです!」と力強く語ってくれました。そうです、私たちのこのささやかな手で平和と友好を築いていきたいと思います。
今回は、パレードの翌日11月14日に「朝鮮通信使・映画とトークの夕べ」というイベントを東京台東区で行いました。東京日韓親善協会、友情ウオークと共催でしたが、世界遺産登録に向けて前夜祭になればと企画しました。辛基秀さんが制作した「江戸時代の朝鮮通信使」を上映した後、呂運俊さんを囲み、関東で通信使に関わっている人たちが初めて一堂に会し、思いを語り、さらに新しい広がりを作ることができたと思います。
わたしたちは「唐人揃いパレード」が12年間も続くとは正直思っていませんでした。しかし続けていくうちに縁地連の皆さまや釜山文化財団との交流が生まれ、私たちのイベントが単なる川越という地域だけのものではなく日韓交流につながっていることを実感しています。
こうして江戸時代の通信使と同じ12回のパレードを終え、これから第2ステージに入ります。第13回目は2017年11月12日(日)の予定です。世界遺産登録を祝う楽しいパレードにしたいと思いますのでご支援をよろしくお願いします。
=お詫び=
以上は本来、先日会員の皆様に送付した縁地連だよりに掲載予定の文章でした。
事務局不手際により、掲載することがかなわなかったので、今回まずはブログに掲載しております。
また別の機会にペーパーで会員の皆様宛に送付させていただく予定です。
川越唐人揃いパレード実行委員会の皆様を始め、会員の皆様、大変申し訳ございませんでした。
by enchiren | 2017-05-16 10:26 | お知らせ